【モンゴル】「最近のモンゴル経済情勢およびモンゴルと日本の経済協力」(2014/11/18) 付記: 10/24国会で鉄道輸送路線が採択された(下記) 1. 日中東北開発協会・北東アジア経済委員会の特別講演会が10月29日開催
フレルバータル大使により
「最近のモンゴル経済情勢およびモンゴルと日本の経済協力」と題して特別講演会が行なわれました。<この様子はNEANETメールニュースNo.54(2014.11.06)にて発信ずみですが、記録のため当ホームページにて公開致します>
【フレルバータル大使の講演要旨】 モンゴル大使館からはサラトゴス公使他が同席。議長に吉田進日中東北開発協会副会長、以下NEANET関係者としては花田麿公名誉会長、生田章一日中東北開発協会理事長、小林真北陸AJEC常務事務局長、岩田敏之南ゴビ電源開発取締役・・・・その他諸氏を含め20名が出席した。
1.最近のモンゴル経済情勢:
今年前半期の経済成長率5.3%、失業率8.4%、インフレ率13%。 世界経済や輸出品の鉱物資源価格の低迷が影響、外国の直接投資が減少した。 今年9ヶ月間に輸出が増大したのは、銅・石炭・石油・金。 石炭は前年より250万トン増えて、年間合計では1,800万トンの見込み。 政府は経済改革、工業・農牧畜加工産業、輸入代替製品・付加価値生産(銅精錬工場-輸出)などの政策を実施。 140案件に財政支出を行なっている。
2.モンゴルと日本の経済関係の最新状況:
本年7月にエグベグドルジ大統領が来日し、東京でのビジネスフォーラムに出席。経済連携協定(EPA)締結について大筋の合意に至った。また安倍総理とは「エルチイニシアティブ・プラス」が提案され、昨年調印された「戦略的パートナーシップのための中期行動計画」の貿易・経済交流のために貿易投資環境を整備し、モンゴルの輸出と産業多角化の促進のために日本が支援することが表明された。 大学付属病院(総合200ベッド)、円借の拡大、官民合同協力などへ法的な投資環境整備。人材育成(1千人研修生)。
日本との貿易額は5億ドル(輸入90%、輸出10%)、投資総額は2億ドル以下。 中国とは2020年までに100億ドル達成に合意。ロシアとは貿易を増大させ(石油製品の100%)、食肉(牛・馬・羊)・農牧業製品輸出への優遇策を話し合っている。
3.鉄道建設について:
鉄道建設に関して、ロシアとは新たな出口の開設、既設鉄道の複線化・電化について合意。
中国とは中国を経由しての出海港を増やして中国東北部・北部の8つ(少なくも4港)を利用すること。通過料金の40%削減について合意した。
直近の10月24日の議会で84%の支持を得て鉄道輸送に関する政府案が採択された。
(花田名誉会長からモンゴルの報道を確認し、分かり易いようにNEANETで下記纏めた。)
注、*印はNEANETで補足。一部の地方路線を省略)
(1)東西の鉄道 (広軌=1520mm)
①タバントルゴイ~サインシャンド~フート~チョイバルサン (1073km) 広軌
②チョイバルサン~エレンツァブ (ロシア向け既存線を新線化) (210km) 広軌
*タバントルゴイからチョイバルサンを経由しロシア鉄道に接続し極東港湾につなぐ
③フート~ヌムルグ (中国、アルシャン《阿尓山》経由図們江ルートへ) (380km) 広軌
*多国間協力の路線、モ・中国境での積替えを要する。中国の港湾につなぐ (詳細は不明)
(2)中国方面への支線 (標準軌=1435mm)
④タバントルゴイ~ガションスハイト (267km) 標準軌
⑤サインシャンダ~ザミンウド (南北既存鉄道《広軌》に併設》) (46km) 標準軌
⑥フート~ビチクト (中国、内モンゴル側に新設が必要) (200km) 標準軌
モンゴルの鉄道計画図.ppt へのリンク (上記の鉄道路線を図示)