NEANET総会・情報交換会
【第14期(2017年4月~2018年3月)の会員総会の報告】 (2017/5/26) New!
第14期の総会等は、下記の日時・場所において開催された。以下報告致します。
開催日時: 平成29年5月26日(金) 場所:みなと総研3階会議室
理事会 13:30~14:15
総 会 14:30~15:15
情報交換会 15:30~17:45
懇親会 18:00~19:00
【審議事項】 (注、議案と資料の順番を変えてあります)
【資料2】 【第1号議案:第13期事業報告書】
NEANET第13期の事業報告書:
第13期(2016.4~2017.3)も北東アジアは激動の真っ只中にあった。日本にとって隣国であり、互いに強くインパクトしあう仲である。良好な関係を維持するためには何よりも相手を知ることであり、中でも交流の促進が重要である。当NPO(NEANET)は本年度もこれをモットーに活動してきた。対岸の状況把握は我が国の様々なレベルでなされる必要があるが、NEANETもその一端に参加している。
NEANETでは対岸の輸送回廊に係る専門家が結集している。これにより、ホームページ(http://neanet.jp/)をポータルサイトにして、会員同士が相互に、異なる分野や視点からの情報を交換できると共に、会員個人では中々捉えにくい対岸全体を俯瞰した情勢把握を可能にしている。当NPOの特徴は此処にある。
本年度の事業展開はこの特徴に沿った形で実施された。以前はホームページ中心であったが、2年前に事務局を現在地(港区虎ノ門、(一財)みなと総研内)にシフトしたことで、これにより会議室、応接室などを共用であるが無償で利用できるようになり、事務所での実施体制がそれなりに整った。
事業の検討を逐次行うため、毎週企画委員会を開催した。具体的には、対岸の動きをチェックするとともに、時宜に見合った研究フォーラム(北東アジア政策懇話会)(みなと総研と共同主催)の内容を議論し、講師の選定、日時の確定、聴取者募集を行った。またこの一環で国交省港湾局との連携を随時行った。最新の国レベルの情報の取得にも努めた。
1.本年度の対岸の動きを概観すると次の通りである。
1)ロシア
2014年3月のロシアによるクリミア半島の併合に端を発した欧米の経済制裁及び世界的原油価格の低下などにより、長くロシア経済は低迷状況にあったが、2016年より回復傾向にあるとされている。一方でロシアはアジア太平洋地域との交易を増やす東方シフトを本格化させており、日ロ政府間による関係改善に向けての動きも引き続き行われた。2016年12月にはプーチン大統領が安倍総理大臣私邸を訪れるなど個人的信頼関係の増進などが行われると共に、8項目の協力プランの内容精査、北方領土における共同経済活動の取組について具体策が議論された。当NPOが関心を有する港湾分野については、ボストチヌイ港の石炭港整備に伴う日本企業による支援、北方領土の観光開発への支援などがあげられる。
2)中国
北東アジア輸送回廊ネットワークを取り込むと共にそれをユーラシア全土に発展させた「一帯一路」構想がその金融機関「アジアインフラ投資銀行AIIB」の実現、拡大と共に着実に動き始めた。2015年12月25日に発足し、2017年3月23日には70カ国・地域となり、さらに85カ国から90カ国に拡大するとしている(アジア開発銀行ADBの67カ国・地域を上回る)。創設時の資本金1000億ドルである。この一環で吉林省政府は琿春⇔ザルビノ⇔釜山のコンテナ航路を開設した。新潟接続についても意欲を燃やしている。
3)韓国
北朝鮮関係で緊張をはらむ中、朴槿恵大統領が失職逮捕されるという事件が起きた。大財閥のサムソンの実力副会長も逮捕され、政治経済の混乱が続いた。一方で、対北朝鮮関係で日韓米の緊密な連携が求められており、日本として目が離せない状況が続いている。ロシアとの間のビザなし交流が定着したと言われており、韓国ロシア間相互交流が拡大している。
4)モンゴル
2016年6月7日,日本・モンゴル経済連携協定EPAが発効した。これに伴い今後10年間で、モンゴル側は日本からの輸入額の96%を、日本側はモンゴルからの輸入額の100%を、無税にすることとなった。
2017年は日本・モンゴル外交関係樹立45周年である。
「戦略的パートナーシップのための日本・モンゴル中期行動計画」,IMF支援パッケージの下での日本の財政支援の用意などが検討された。
5)北朝鮮
北朝鮮は2016年に2回の核実験を行い、2017年に6回目の核実験をも行う模様であり、米朝関係が非常に緊迫した。国連による度重なる経済制裁の通告にもかかわらず、事態は改善していない。一方で羅津港には中国が第一埠頭を使って中国内国貿易「内貿跨境」を行っており、ロシアも第三埠頭を使って、中国船による石炭輸出などを行っている。いずれも国連制裁除外行動になっているとのこと。
2.ホームページの充実 http://neanet.jp
北東アジア輸送回廊ネットワークのポータルサイトとして活用されるよう、ホームページの充実を図った。対岸の最新情報や、下記政策フォーラムの公表、会員からの意見コーナー設置など、内容を追加充実させた。
3.NEANETリーフレットの改訂
NEANET創設初期に発行した「NEANETリーフレット」の内容が古くなったため、本年2月に最近の北東アジア地域のインフラ改善の進捗情況に合わせて改訂した。新規会員の募集に役立てたい。
4.NEANET/WAVE共催研究フォーラム(北東アジア政策懇話会)
今までの政策フォーラムの実績は次の通りである。太字は本年度分である。
第1回(6/26、15) 田中弘様 「中国とモンゴルにおける環境ビジネス」
第2回(8/7) 後藤正博様「最近の中国経済の状況」
「2015日中経済協力会議-於遼寧」
第3回(9/25) 町田一兵様「ユーラシア横断中国欧州輸送回廊」
第4回(10/16) 東山茂様 「1)北東アジア交流白書とりまとめの背景と経過
~今、なぜ北東アジア交流なのか~」
2)NEANET2014北東アジア交流白書(平27.6)の内容紹介
~北東アジア交流促進の鍵は何か~
第5回(12/18) 鈴木勝様「観光立国ニッポンへの道-これでいいのですか(現状と課題)-」~急激に進んでいるが、果たしてこの調子でいいのか~
第6回(2/5、16) 田辺智彦様「銀行マンから見た最近の中国情勢について~日本企業の対中直接投資の現状と展望及び中国東北部での日中経済協力~
第7回(4/22) 李燦雨様 「朝鮮半島における南北関係の現状と展望」
第8回(7/1) 辻久子様 「ロシア国際物流の実態」
第9回(9/9) 浅海茂様 「中央アジアの国際物流とビジネス環境-カザフスタン、ウズベキスタンを中心に」
第10回(9/23) 福西謙様 「関西におけるインバウンドの現状と課題」
第11回(10/28) 国松正輝様「RORO船とWWLロジスティックサービスの概要」
第12回(12/9) 高見澤学様「最近の日中経済関係-新次元の日中産業協力に向けて」
第13回(2/3、2017) 吉田進様 「新段階に入った日ロ関係」
第14回(2/7,2017) 堀田幸裕様 「習近平時代の中朝関係」
5.「北東アジア交流白書」の編纂
対岸との結びつきが強い日本海側地域の動静を俯瞰的に捉えるため、関係自治体等の日本海交流状況を収集、把握し、それを「北東アジア交流白書」なる形で、当NPOのホームページhttp://neanet.jp より発表している。これは毎年1回の定期行事化を心掛けており、すでに4年の実績づくりに入っている。累積することで将来に向けて貴重なデーターバンクになると考えている。
6.NEANETの受託事業
NEANETは従来より過去の情報集積及び会員各位の専門性を生かして、国を含む関係団体からの調査要望に応えてきているが、これは調査依頼者への貢献に加え、当NPOの財政基盤の強化に資するものになっている。
本年度は次の事業を行った。
委託者:北陸地方整備局新潟港湾空港整備事務所
事業名:新潟港近代化初期成長状況調査
以上
【第3号議案】 【資料5】 【第3号議案:第14期事業計画書】
NEANET第14期(2017.4~2018.3)の事業計画書:
第14期(2017.4~2018.3)は、緊迫する朝鮮半島情勢のもと、関連国による平和的収束が進展することを祈念しつつ、ロシアについては、日ロ首脳会談による北方領土における日ロ共同経済活動及び8項目の協力プランの具体化が進む予定であり、また中国による「一帯一路」構想及び加盟国がさらに拡大しつつあるアジアインフラ投資銀行(AIIB)の活動が進展して行くものと思われる。特に自民党二階幹事長によるAIIBへの日本の参加はあり得べしとの発言がこの4月に為されており、我が国の積極的関与が見通せるようになろう。韓国は5月に選出された新しい文在寅(ムン・ジェイン)大統領のもと日韓関係の改善が期待される。モンゴルは日本・モンゴル経済連携協定が発効しており、貿易の拡大が期待される。
このような状況の中で、当NPO(NEANET)が実施している北東アジア輸送回廊についての情報提供はますます重要性を増すと思われる。もともと一帯一路構想は輸送インフラの整備をベースに地域開発を目指す点で、我々の北東アジア輸送回廊ビジョンと類似であり、地域の広がりから見て同ビジョンを取り込んだものと理解することができるうえ、かつ加盟国の多さと豊かな資金量を有するAIIBと協調することで今後急速にユーラシア経済の発展に貢献していくものと予想される。その時これへの日本企業の積極的参加が強く要請される時代になると考えられる。しかし、実際にインフラの整備及びそれを活用した輸送の円滑な流れに到達するまでには、国境を複数通過することから、通過国の事情に大きく影響を受け、その過程は決して平坦ではないであろう。
我が国として参加していくためには、何よりも正確な情報把握がまず求められる。この時当NEANETが実施している北東アジア全体を俯瞰した輸送ルートの情報提供は、上記一帯一路との関連を把握することが出来れば、さらに重要性を増すと思われる。就いてはNEANET は前年度からの事業を継続していくことと併せ、上記新しい情勢に合わせた研究会設置による情報の取りまとめとその成果の会員への公表などを新たに目指していきたい。
併せて、それを裏付ける事務局体制と財政基盤の問題を十分に吟味する必要があるので、会員各位に向けてアンケート調査を実施し(メールにて実施、回収)、会員各位の知恵を収集し、今後の運営に生かしていきたい。
以上
【第2号議案】 【資料3:第13期決算報告書】
1.13期活動計算書
1)活動報告書(概要のみ、経費の明細は省略)
経常収益計 2,289,393円
受取会費 1,194,000
受託事業収益 972,000
その他 123,393
経常費用計 2,297,478
事業費 938,027
管理費 1,359,451
当期経常増減額 △8,085
法人都民 70,000
当期正味財産増減額 △78,085
前期繰越正味財産 1,653,840
次期繰越正味財産額 1,575,755
2)財産目録・第14期収支予算書についてはここでは割愛します。
3)当期の納税額は、法人都民税70,000円のみ。消費税は課税売上1000万以下の為課税なし。
以上、いずれも適正に処理されていると監査結果が報告され、満場一致で承認された。
*詳細内容を必要とされる場合には事務局にお問い合わせ下さい。
4)【貸借対照表の公告】:平成28年6月に「NPO促進法」が改正され、毎年度貸借対照表の公告が
必要となり、その広告の方法を定款で定める(定款の変更)こととなりました。NEANETの定款
「第54条 この法人の公告は、この法人の掲示場に掲示するとともに、官報に掲載して行う。」
に以下を追加します。「ただし、法第28条の2第1項にきていする貸借対照表の公告について
は、この法人のホームページにおいて行う。」定款の変更は次期の総会時になりますが、
それに先立ち以下掲示します。
平成28年度貸借対照表(平成29年3月31日現在)
Ⅰ.資産の部
1.流動資産
現 金 27,465
小口現金 13,563
普通預金 1,109,507
売 掛 金 972,000
流動資産合計 2,122,535
2.固定資産
(1)有形固定資産
什器備品 1
有形固定資産計 1
固定資産合計 1
資 産 合 計 2,122,536
Ⅱ.負債の部
1.流動負債
未 払 金 476,781
未払法人税等 70,000
流動負債合計 546,781
負 債 合 計 546,781
Ⅲ.正味財産の部
前期繰越正味財産 1,653,840
当期正味財産増減額 △ 78,085
正味財産合計 1,575,755
負債及び正味財産合計 2,122,536
【第5号議案】 【役員等の一部改選】
1.以下の改選が承認された。
役職 氏名 事由 届出日
1)理事 小島正憲 退会・理事辞任 平成29年5月15日
2)理事 鈴木 勝 理事就任 平成29年5月26日
3)監事 龍田晃一 監事辞任 平成29年4月6日
4)監事 藤井邦之 監事就任 平成29年4月6日
5)顧問 栢原英郎 退会・顧問辞任 平成29年4月16日
*今回新任者の就任期間は、就任承認の日(総会平成29年5月26日)から前任者の残余期日、
即ち平成30年5月30日まで。
2.今14期の役員・顧問は次の通り。
1)理事
理事・会長 本間邦興 ㈱SGPコーポレーション代表取締役
理事・理事長 大村哲夫 WAVE顧問、㈱日本港湾コンサルタント会長
理事・副会長 三橋郁雄 前ERINA特別研究員
理事・副会長 田中 弘 環境ビジネス開発イニシアティブ代表
理事・副会長 西宮公平 秋田海陸運送㈱代表取締役
理事・副会長 中山輝也 ㈱キタック会長
理事 杉田定大 日中東北開発協会理事長
理事 小林 真 北陸環日本海経済交流促進協会(北陸AJEC)常務
理事 鈴木 勝 日本観光ホスピタリティ教育学会会長、大阪観光大学名誉教授
理事(企画委員長)東山 茂 JFEエンジニアリング㈱顧問
理事(事務局長) 足立英夫 NEANET事務局長 (理事、以上11名)
2)監事 笠井ヤク雄 日本国際貿易促進協会理事長
監事 藤井邦之 新日鉄住金㈱新潟支店長 (監事、以上2名)
3)顧問 花田麿公 元NEANET会長、元在モンゴル日本国大使
顧問 吉田 進 前NEANET会長、元ERINA名誉理事長
顧問 古賀憲介 日中東北開発協会特別顧問