辻レポートコーナー
シベリアランドブリッジ・ロシア港湾における調査研究の専門家の立場からROTOBO(ロシアNIS貿易会)の「ロシアNIS調査月報」に寄稿の
’Logistics Navi'がロシア全体+中央アジア、日本全体の視点で分析するのに対して、NEANET向けにはロシア極東、日本海沿岸の視点で
レポートを寄稿していただくことになりました。 (ご感想をお寄せ下さい → neanet@oboe.ocn.ne.jp)
(概要)「2017年のロシア港湾」-ロシア港湾も景気回復-マクロ経済指標の回復を裏付けるように、2017年のロシア港湾の取り扱い両も力強い成長軌道を描き始めた。最新の港湾統計に基づき取り扱い実績を分析した。
・ロシア港湾の取扱数量は前年比8.9%増 ・品目別動向は原油(32.1%)、石油製品(18.0%)、石炭・コークス(19.6%)、LNG(1.9%)の合計が72%。コンテナ(6.15%)、穀物(6.1%)など、穀物は2017年の豊作を反映して輸出量が30%増加した ・北極水域の原油・石油製品が大幅に増え、ヤマルLNGの開発が進むサベッタ港では前年比2.6倍 ・コンテナーは前年比15.6%と増加するもまだピークに戻り切っていない ・最大のコンテナ港はサンクトペテルブルグ(41.5%)、それにウラジオストック(18.1%)、ボストチヌイ(8.0%)など
日本港湾とロシア極東港湾を定期的に繋ぐ航路として、国内主要港を巡るロシア極東と、境港を国内ベースとするDBSクルーズフェリーが活動しています。
両定期航路の現状を紹介します。
1)ロシア極東コンテナ航路(TSCS) ・TSCS(トランス・シベリア・コンテナ・サービス)はFESCOと商船三井の共同運航するコンテナ専用の定期航路。
・"CONTSHIP ACE"が月2便運航。
・ボストチヌイ-ウラジオ-仙台-横浜-清水-名古屋-神戸-富山-ボストチヌイ
2)クルーズフェリー時代の幕開け ・2009年6月韓国DBSクルーズフェリーにより境港-東海-ウラジオをつなぐ国際定期フェリーを開設。
・"EASTERN Dream号"が東海-ウラジオ-東海-境港-舞鶴-境港-東海を週一運航。
・舞鶴港の取り扱いは貨物のみ。
・特徴は、貨物は船腹に収納し、オンデッキには積まない。コンテナ、車両、大型・長尺貨物等幅広い貨物を輸送。
3)DBSクルーズフェリーの輸送実績 ・本文中に貨物および乗客の経年実績
4)DBSクルーズフェリーの成功の要因 ・「合わせ技と地域連携」ロシア-韓国、コンテナとバルク・車両・大型長尺貨物等の混載。
フェリーにて貨物と旅客との混載。
・舞鶴港との地域連携。境港の行政の支援、官民による集荷努力。
(概要)2016年及び2017年上半期の動向を分析。貨物輸送はロシア鉄道の収入の79.5%を占める。
2016年の貨物量は12億2,230万トンで、2012年以降の減少から2016年は増加に転じた。 2017年上半期は前年同期比トンベースで3.6%増と好調が続いている。
輸送サービスの質も改善され荷主との約束期日通りの納入は2016年では96.1%に達した。シベリア鉄道のコンテナ輸送における ”TSR in 7days"プログラムでは
2016年の1日当たりの平均走行距離が1,145㎞と前年比13㎞のびた。旅客輸送は、ロシア鉄道は2016年を”旅客の年”とし活性化に努めた。200㎞以上の長距離
輸送は「サプサン号」(モスクワ~サンクトペテルブルク間)他で2017年上半期では0.3%増加。近郊旅客部門はモスクワ中央環状線の電化・改修で10.6%増とな
った。(...以下本文にて)
日ロ貿易・金額と物流量から見た最近の輸出入貨物の状況を分析したレポートです。
自動車(新・中古)タイヤ・一般機械・電機の輸出、石油・ガス・石炭、木材・水産物等の輸入につき港別税関統計データを収集・分析し、日ロ間貿易の実態を明らかにしたもので大変貴重なレポートです。
今年17年5月24にシベリア横断鉄道調整評議会(CCTT)と日本トランスシベリア複合輸送業者協会(TSIOAJ)などの共催で第3回「新生シベリア鉄道輸送ビジネスフォーラム」が在日ロシア通商代表部において、ロシア側からベソーノフCCTT事務局長以下ロシア鉄道輸送サービスセンター次長、FESCO代表、欧州の鉄道輸送オペレーター、中国から長春国際陸港代表らが参加して行われた。
これに参加した辻久子様は内外発表者の内容に基づきシベリア鉄道によるコンテナ輸送の最新の事情を纏めて、ロシアNIS調査月報のLogisticNavi-2017-7に発表された。今回辻様のご好意によりNEANETホームページへの掲載を許可頂いたものです。
(本レポートは平成29年6月発行のNEANET2016北東アジア交流白書【平成28年度の取組み】へ投稿頂いたものです)
2016年のロシアはマクロ経済の不況にも拘わらず、ロシアの港湾取扱ならびに貨物輸送量は前年比増加し、輸出が+5.9%、輸入が▲5.0%、トランジット貨物が+5.8%、内航が+27.4%となった。景気変動の影響を受けやすいコンテナ貨物量は2016年の後半に景気が底打ちとなり回復の兆しが見える。ロシアの各種豊富な物流データの収集・分析による大変興味深いレポートをお届けします。
7月1日の研究フォーラム時の辻久子様の講演資料を「研究フォーラム覧」に既に掲載済みですが、辻久子コーナーに重複掲載をして、ロシア
の物流に関するレポートシリーズの一環として提供させて頂きます。
「ロシアの国際物流の実態」と題してロシアの港湾、鉄道などインフラと、2015年の国際物流や日ロ間貿易統計をふんだんに引用し、
シベリア鉄道・バム鉄道の輸送量増加計画、新シルクロード鉄道回廊と中国~欧州間ブロックトレイン運行の情況、更に北極海航路など多岐に亘
って紹介されました。
これは2月17日(水)、NHKラジオ放送(夕方ホットトーク)で「シベリア・ランドブリッジ」についてのインタビューに答えたものです。
平日の夕方(17:30)でもあり当日ラジオでお聞きになられた方は少ないと思いますので、辻久子様に当ホームページでの公開をお願いしたものです。
「シベリア鉄道の現状と将来」といういささか硬い表題ですが、一般聴衆者向けに分かり易く解説されており、参考になると思います。内容は;-
1)シベリア鉄道の歴史や特徴
2)ロシア経済の中での鉄道輸送の重要性、どんな商品が運ばれている?
3)旧ソ連時代と今の役割は?
4)プーチン大統領はロシアや極東の経済の為にシベリア鉄道をどう利用しようとしている?
5)コンテナ輸送の利用状況は?
6)日本企業にとってシベリア鉄道を利用する上での問題、課題
7)中国の新シルクロード構想との競争は?
8)シベリア鉄道と朝鮮半島を結ぶ構想の見通しについて
9)シベリア鉄道や北極海航路など、今後の見通しや課題について
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シベリア鉄道の図面 |
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ウラジオストック駅と昔の機関車 | シベリア鉄道の列車 | モスクワ・ヤロスラヴリ駅(シベリア鉄道の始発駅) |
このレポートは、2015年5月21日の情報交換会時に発表頂く予定であったが、同日開催された日ロフォーラムに参加のため、情報交換会には出席出来ないために配布資料として会員に提供いただいたものです。ロシアの公式港湾統計のデータに基づいて、2014年のロシア極東の貨物取扱状況について纏められたレポートです。Contents:ー
1)存在感を高める極東水域
2)極東港湾の取扱品目の特徴
3)極東主要港の動向
4)石炭ブームは続くか
5)コンテナ貨物の動向
2013年春頃からのロシア経済の減速が顕著になり、日本の対ロ自動車輸出にも陰りが見えている
が、最近のロ自動車市場の動向と、物流アクセスついての状況を紹介する。
1)減速するロシアの自動車市場
2)日本車の輸出動向:新車・中古車
3)現地生産が本格化
4)「地産地消」対「適地量産」
5)完成車の輸送ルート:バルト海、黒海、極東港湾
ウラジオストク マツダ・ソラーズ工場(2013.1by辻久子)
2013年の日ロ貿易統計をもとに日ロ間の輸出入貨物の輸送ルート、品目別数字、利用港湾・特に日本
海沿岸の取扱い港湾の状況を分析しています。
2014年5月21日NEANET情報交換会において発表されたレポートが一部更新されました。
ロシアのコンテナ物流の2013年港湾別の状況、特に極東港からTSR鉄道輸送状況や欧州航路との競争力などについて、豊富な統計データに基づいて分析されたレポートです。(「活動報告」欄中の情報交換会時の資料を更新したものです)
「ロシア極東2港のコンテナターミナル (by 辻久子)」 |
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ウラジオストク商業港 | ボストチヌイ港 |