【審議事項】役員・顧問等の改選について(2年ごとの改選期に当たり、下記の新人事を理事会・総会において審議・承認されたのでお知らせします)
(注、任期2年)
顧問(3名)
顧問 花田 麿公 元在モンゴル日本国大使(元名誉会長)
顧問 吉田 進 元ERINA名誉理事長 (前会長)
顧問 栢原 英郎 元日本港湾協会名誉会長(前理事長)
理事(11名)(☆新任)
理事・会長 本間 邦興 南ゴビ電源開発㈱代表取締役
理事・副会長 三橋 郁雄 ERINA特別研究員
理事・副会長 田中 弘 環境ビジネス開発イニシアティブ代表
元日本カーボンファイナンス代表取締役
理事・副会長 西宮 公平 秋田海陸運送㈱代表取締役
理事・副会長 ☆中山 輝也 ㈱キタック代表取締役
理事・理事長 ☆大村 哲夫 (一財)みなと総研顧問
理事 生田 章一 日中東北開発協会理事長
理事 小島 正憲 ㈱小島衣料オーナー
理事 小林 真 北陸AJEC 常務理事
理事(企画委員長)東山 茂 JFEエンジニアリング㈱顧問
理事(事務局長) 足立 英夫 NEANET事務局長
監事(2名)(☆新任)
監事 龍田 晃一 新日鉄住金㈱新潟支店長
監事 ☆笠井 ヤク雄 日本国際貿易促進協会理事長
(注、笠井監事は理事より移行)
【追記】
ご挨拶:
会長の退任に際して 前会長 吉田 進
【第1号議案】
第12期(2015.4~2016.3)事業報告 1.2015年の経済概況:
(1)ロシア
*ロシアは、2014年3月のクリミアの併合、ウクライナ問題の発生により、欧米諸国による経済制裁が実施され、G8からロシアを排除するなどにより欧米との貿易の大幅な減少を余儀なくされた。2015年の実質GDPは3.7%の減少となった。貿易面では輸出が31.4%、輸入が37.4%減少した。輸出は石炭・石油・ガスなど資源価格の暴落、ルーブルの下落による減価(対米ドルで約50%)が響いたが、量的にはむしろ若干の増加となった。輸入面では自動車は前年比半減の35万台、機械・設備類も40%減少したが、ルーブル安による物価高の影響での国内消費低迷が響いた。
*極東ロシアの状況については、プーチン大統領は9月ウラジオストクにおける「東方経済フォーラム」において極東・東シベリア地域の開発を重視し、世界経済の成長センターであるアジア太平洋地域との関係を重視する「東進政策」をアピールした。極東地域に先進発展地域の指定・ウラジオストク自由港の設置・優遇制度の制定を発表した。(実施は2016年6月以降に)
*極東港湾では資源貨物の輸出が多いボストチヌイ・ワニノ・ナホトカが増加したが、コンテナの多いウラジオストクは約16%減少した(全国では25.4%減)。
*日本の石炭輸入量は1,682万トン、LNGは520万トン、原油は2,000万トンであった。日本・韓国から欧州向けのトランジット貨物は、スエズ運河経由欧州航路の運賃の低下によりシベリアランドブリッジの利用量が減少した。
(2)中国
*2015年の実質GDP成長率は前年比+6.9%と政府目標の+7.0%前後とほぼ同じ水準であった。貿易は目標+6%に対し実績値は▲7%と大きく前年割れし、国内の生産コスト増が重石。外資の現地調達比率の高まりが輸入を下押しした。8月に人民元レートの市場化で4.7%実質切り下げとなり、株価も急落した。
*日中関係は14年11月の北京APECで首脳会談が行われ、途絶えていた政府間協議が再開された。15年11月の日中韓サミットでは「北東アジアの平和と協力のための共同宣言」で、日中韓FTA交渉の加速化が合意された。また日中経協訪中団と李克強総理との座談会が実現し、「日中の貿易・投資、金融、インフラ、省エネ、環境保護、観光など広範な分野で高度な協力を推進、共通の利益を拡大していく」とする共同声明を発表した。
*こうした中で、米国・日本が主導する12ヶ国のTPP(環太平洋経済連携協定)が大筋合意され(15年10月)、12月末にAEC(ASEAN経済共同体)が発足した。
*習近平国家主席は13年に提唱した「一帯一路」やAIIB(アジアインフラ投資銀行)を進め、AIIBは16年1月に北京で世界57ヶ国の参加と1,000億ドル(11兆7000億円)を得て開業した。中国は別に「シルクロード基金」(400億ドル)を設置した。GDP世界第2位となった中国は「新秩序(ニューバランス)」政策のもとでアジアの交通、電力、港湾、水利などのインフラ整備を積極的に支援する。日・米は「透明性に問題あり」として参加を見送っている。
(3)モンゴル
*2015年2月、サイハンビレグ首相の訪日時に「日本・モンゴル経済連携協定EPA」に署名した。モンゴルにとって最初の経済連携協定である。日・モンゴル間の貿易額は、日本からの輸出は約399億円、日本の輸入は約19億円(12年)。モンゴルは日本からの輸入額の約96%を10年間で無税に(完成車、建設用機械など)、日本はモンゴルからの輸入額の100%を10年間で無税(石炭、蛍石など即時撤廃)にする。
*日本はタバントルゴイ・オユトルゴイの石炭・鉱物資源の開発と鉄道輸送インフラ整備、新ウランバートル空港建設などに協力する。
*NEANETは2015年8月、ウランバートルでの第11回IFNAT(北東アジア国際観光会議)開催に協力した。
(4)北朝鮮への経済制裁の強化
*核実験、ミサイル発射、拉致問題等に対する経済制裁が強化され、中国・ロシアは羅津港の利用を中断中。
(5)2015年の訪日客、2千万人に迫る。
2,015年1~12月訪日客数(前年比)
総 数 1,974万人 (+47.1)
中 国 499万人 (+107.3%)
韓 国 400万人 (+45.3%)
台 湾 367万人 (+29.9%)
香 港 152万人 (+64.6%)
(注、新しい訪日客の目標:2020年に4千万人。2030年に6千万人。)
2.NEANETの事業活動状況:
1)4月1日、NEANET新事務所にて執務開始。
新事務所(港区虎ノ門3-1-10 第2虎ノ門電気ビルディング4F、一般財団法人みなと総合研究財団内)。(旧事務所:渋谷区表参道新潟館ネスパス2F)
2)5月21日、NEANET第12期総会・情報交換会を開催。
総会の審議は滞りなく行われた。
情報交換会時の特別講演は、下記の2氏によりおこなわれた。
*松原裕氏 国交省大臣官房審議官「我が国のエネルギー調達と外航海運」
*許永洙氏 ㈱JPM代表取締役「日中間のビジネスマンが感じる日中関係(中国東北プロジェクト事例を以って)」
引き続き各地港湾関係者により夫々の港湾事情が発表され情報を共用した。また、北東アジアの現状について専門的立場からの紹介が行われた。
3)6月「NEANET2014北東アジア交流白書」(第2回、平成26年度の取組み)を発行し、NEANETホームページに公開した。
4)6月より、NEANET企画委員会を原則毎週金曜に開催した。
5)6月以降、新しい企画としてNEANET/WAVE共催の「研究フォーラム」(北東アジア政策懇話会)を2~3ヶ月に1回程度開催することした。WAVE(みなと総研)は開催案内を都度ホームページ(http://wave.or.jp)に公開して募集。定員25名。無料)
今期中は下記6回実施した(敬称略)。<第6回までの報告をホームページに掲載>
・第1回(6/26)田中弘「中国とモンゴルにおける環境ビジネス」
・第2回(8/7)後藤正博「最近の中国経済の状況、2015日中経済協力会議-於遼寧」
・第3回(9/25)町田一兵「ユーラシア横断中国欧州輸送回廊」
・第4回(10/16)東山茂「1)北東アジア交流白書とりまとめの背景と経過~今、なぜ北東アジア交流なのか~2)NEANET2014北東アジア交流白書(平27.6)の内容紹介~北東アジア交流促進の鍵はなにか~」
・第5回(12/18)鈴木勝「観光立国ニッポンへの道-これでいいのですか(現状と課題)、
~急激に進んでいるが、果たしてこの調子でいいのか~」
・第6回(16.2/5)田辺智彦「銀行マンから見た最近の中国情勢について~日本企業の対中直接投資の現状と展望および中国東北部での日中経済協力」
6)8月25日、第11回「IFNAT(北東アジア国際観光会議)inウランバートル」開催
7)9月3~6日、「東方経済フォーラム」ウラジオストック会議(吉田会長が参加)、
「東方経済フォーラム、ロシア先進地域発展、ウラジオストク自由港」の内容についてはホームページにその内容を掲載。
8)16年1月末、「北東アジア経済発展会議in新潟」開催。
9)受注事業:国交省北陸地方整備局 新潟港湾・空港整備事務所より2件を受注。
いずれも2月(3月入金)と3月(4月入金)に報告書を提出した。
(1)油流出事故に備えた補償制度基礎調査
(2)新潟港対岸貿易情報資料作成
~対岸地域の貿易回廊の整備状況や計画ならびに回廊沿線の主要都市の社会情勢や経済活動状況について~
10)広報活動:
(1)ホームページを更新:
新HP(http://neanet.jp)9月に公開。随時更新。
旧HP(http:/neanet.goraikou.com)は16年3月末を以って閉鎖。
(2)NEANETメールニュース:随時発信(No.60~No.70+個別メール3)
【第3号議案】
第13期(2016.4~2017.3)事業計画 1. 2016年の北東アジアの経済状況とNEANETの事業活動:
(1)中国東北地方の状況
*3月に全人代(全国人民代表大会)が開催され、16~20年までの第13次5ヵ年計画を採択して閉幕した。構造改革と成長戦略の両立が最大の課題とされた。東北3省の昨年の経済成長率は全省・直轄市のなかでワースト5に入る(遼寧省+3.0%、吉林省+6.5%、黒竜江省+5.7%)。旧国有企業が多く鉱工業製品の過剰な生産能力と在庫を圧縮して、利益の出せない「ゾンビ企業」の淘汰に力を入れるとしている。遼寧省の財政収入▲33.4%、貿易額▲23.3%は、中国国内市場と輸出市場の縮小を示している。
*「一帯一路」の北方ルートとして、貨物を大連・営口に集め、満州里経由しシべリア鉄道により欧州への輸送ルート開拓に力を入れている。
*4月北京においてロシア極東開発省と中国の関係者は沿海地方の国際輸送回廊整備に係る合弁管理会社の設立に合意した。「綏芬河輸送回廊(プリモリエ1)」と「図們江輸送回廊(プリモリエ2)」の整備にあたる。グロデコボ駅の改修、マハリノ~琿春区間の近代化、倉庫の建設などが行われる。
(2)ロシア極東の状況
*「第2回東方経済フォーラム」 16年9月にウラジオストクで開催される。
5月ソチにおけるプーチン・安倍両首脳会談で、プーチン大統領は安倍首相の訪ロを表明した。平和条約の締結と北方領土問題へ向けた首脳間話合いの継続と、日本から提案の8つの経済協力案件についての前進が期待される。
昨年発表された幾つかの施策についてロシア側の具体策が待たれる。「ウラジオストク自由港」に関連して「簡易ビザ制度の導入」は7月からウラジオストク国際空港とウラジオストク客港で先行導入の見込み。出発日の3日前までに総領事館に「オンラインビザ申請フォーム」で申請し、その確認書を以ってウラジオストク入国時に申請する。
*「極東プロジェクト」の例: NEANETとして情報の収集・発信を行う。
①「大ザルビノ港プロジェクト」(スーマグループ)
②漁業加工基地(野村総研F/S)
③ハバロフスク空港、空港・商業ゾーン(双日)・ホテル(東横イン)
④石炭積出港(ボストチヌイ第3ターミナル、スーマの新港その他)
⑤ウラジオストク-新潟間海底パイプライン
その他。
*「大ザルビノ港プロジェクト」
スーマグループの代表が訪日して説明会を開く予定が延期となっている。その来日が決定した場合NEANETが協力する。その際「大ザルビノ港協議会(仮)」の立ち上げを予定する。
(3)モンゴル・中国・ロシアの鉄道建設協力のトレース
「両山鉄道」は、モンゴル・チョイバルサンと中国・アルシャン(阿尓山)を結ぶ476kmの鉄道路線で、アルシャンからは図們江輸送ルートに接続して図們駅に至り、第1線としてロシア・ウラジオストクと北朝鮮羅津港につなぐ。第2線として東北東部鉄道で丹東につなぐ計画が検討されている。
2.その他、情報の収集・共有と広報活動
(1)日本海横断航路への協力
新潟県・吉林省で進めている「日本海横断フェリー航路」計画に対する必要な協力。
中国東北地方からのフェリーを利用した集客並びに対応策。
(2)「IFNAT北東アジア国際観光会議inウラジオストク」開催への協力
(3)NEANET/WAVE共催「研究フォーラム」(北東アジア政策懇話会)の継続開催。
・第7回(4/22)李燦雨「朝鮮半島南北関係の展望」
・第8回(7/1)辻久子「ロシア国際物流の実態」(予定)
(4)「北東アジア交流白書2015」(平成27年度の取り組み)の発行(16年6月)
(5)NEANETホームページの随時更新。「会員の広場」「オピニオン」投稿を歓迎。
(6)NEANETメールニュースの随時発信。
3.会員の新規加入の募集。
4.第12期の決算報告ならびに第13期の収支予算書
1)活動報告書(概要)
経常収益計 3,126,432円
受取会費 1,080,000
受託事業収益 1,944,000
その他 102,432
経常費用計 3,000,242
事業費 1,526,573
管理費 1,473,669
当期経常増減額 874,518
法人税 70,000
当期正味財産増減額 56,190
前期繰越正味財産 1,597,650
次期繰越正味財産額 1,653,840
2)貸借対照表、財産目録・第12期収支予算書についてはここでは割愛します。
3)当期の納税額は、法人都民税70,000円のみ。消費税は課税売上1000万以下の為課税なし。
以上、いずれも適正に処理されていると監査結果が報告され、満場一致で承認された。
*詳細内容を必要とされる場合には事務局にお問い合わせ下さい。