【NEANET/WAVE共催「研究フォーラム(北東アジア政策懇話会)」の報告】
NEANETの事業活動充実の一環として、(一財)みなと総合研究財団(WAVE)と「北東アジア政策懇話会」を共催しております。
【第1回から第20回までのご案内】
(敬称略)
第1回(2015/6/26) 田中弘(NEANET理事・副会長、環境ビジネス開発イニシアテイブ代表)
「中国とモンゴルにおける環境ビジネス」
第2回(2015/8/7) 後藤正博(日中東北開発協会事務局長)
「最近の中国経済の状況」「2015日中経済協力会議-於遼寧」
第3回(2015/9/25) 町田一兵(明治大学商学部准教授)
「ユーラシア横断中国欧州輸送回廊」
第4回(2015/10/16) 東山茂(NEANET理事、JFEエンジニアリング㈱顧問)
「1)北東アジア交流白書とりまとめの背景と経過
~今、なぜ北東アジア交流なのか~
2)NEANET2014北東アジア交流白書(平27.6)の内容紹介
~北東アジア交流促進の鍵は何か~
第5回(2015/12/18) 鈴木勝(共栄大学客員教授)
「観光立国ニッポンへの道-これでいいのですか(現状と課題)-」
~急激に進んでいるが、果たしてこの調子でいいのか~
第6回(2016/2/5) 田辺智彦(三菱東京UFJ銀行東アジア本部中国室副室長)
「銀行マンから見た最近の中国情勢について~
~日本企業の対中直接投資の現状と展望及び中国東北部での日中経済協力~
第7回(2016/4/22) 李燦雨(帝京大学現代ビジネス学科選任講師)
「朝鮮半島における南北関係の現状と展望」
第8回(2016/7/1) 辻久子(環日本海経済研究所名誉研究員)
「ロシア国際物流の実態」
第9回(2016/9/9) 浅海茂様((有)シー・エンタープライズ代表取締役)
「中央アジアの国際物流とビジネス環境-カザフスタン、ウズベキスタンを中心に」
第10回(2016/9/23) 福西謙(国土交通省近畿運輸局観光部長)
「関西におけるインバウンドの現状と課題」
第11回(2016/10/28) 国松正輝(ワレニウス・ウイルヘルムセン・ロジステイクスWWL運航部課長)
「RORO船とWWLロジスティックサービスの概要」
第12回(2016/12/9) 高見澤学((一財)日中経済協会調査部長)
「最近の日中経済関係-新次元の日中産業協力に向けて」
第13回(2017/2/3) 吉田進(NEANET顧問、元環日本海経済研究所名誉理事長)
「新段階に入った日ロ関係」
第14回(2017/2/7) 堀田幸裕(崋山会研究員、愛知大学国際問題研究所客員研究員)
「習近平時代の中朝関係」
第15回(2017/6/16) 志水康祐(国土交通省総合政策局海洋政策課主査)
「北極海航路の利活用に関する最近の動向について」
第16回(2017/9/21) 杉本勝則(北京外国語大学北京日本学研究中心客座教授、桜美林大学北東アジア総研客員特別研究員)
「中国を正しく理解するための三ヶ条-一帯一路の現場を見て-」
第17回(2017/10/27)伊集院敦((公社)日本経済研究センター首席研究員
「変わる北東アジアの経済地図と朝鮮半島クライシス」
第18回(2018/2/16) 佐々木一彰(東洋大学国際観光学部国際観光学科准教授)
「観光政策とIR(Integrated Resort 統合型リゾート)」
第19回(2018/3/15) 山縣宜彦((一財)みなと総研 副理事長)
「カリブ海クルーズから見た日本海クルーズへの提言」
第20回(2018/7/20) 西ヶ廣健(外務省国際協力局政策課 課長補佐)
「『自由で開かれたインド太平洋戦略』の下での連結性強化の取り組み」
【各次研究フォーラムの報告】
第19回 山縣宜彦様
説明資料「カリブ海クルーズから見た日本海クルーズへの提言」pdf.(2018/3/15) New!
【講演の概要】:我が国におけるクルーズ需要の増大は近年顕著なものがあるが、九州地方等西日本の一部地域に市場が偏っていることや、寄港地への経済効果が少ない等のいくつかの課題が提起されている。今回、クルーズのメッカであるマイアミからのカリブ海クルーズの乗船研修の機会を得、また、クルーズターミナルの事情やクルーズの楽しみ方等について、見分することが出来たので、その報告をするとともに、日本でのクルーズ振興、とりわけ日本海でのクルーズの振興について、いくつかの提言をするものである。
*港湾新聞記事掲載(2018/3/15)
第18回 佐々木一彰様 講演は2/16に開催されました。今回説明資料の添付はありません。(2018/2/16)
【講演概要】:2016年末にIR推進法が成立し、2024年ごろに日本でカジノをエンジンとした統合型リゾートが数か所機能する可能性が高くなって
いる中で、ポスト東京オリンピックの観光政策として日本でIR誘致を考えるに当たって、ベイエリアがどのように生かされていく
か等について論説する。
注、IRの整備の推進に関する法律は2017年12月26日に公布されたが、細部の関連規則等については今国会において審議中のもので
あることから、講演に用意された説明資料は外部に公表できないものもあるため、ここに添付することは出来ません。
よろしくご了解ください。(お問い合わせはNEANET事務局まで)
第17回 伊集院敦様
説明資料レジュメpdf. (2017/10/27) New!
注、講演では最新情報を貴重な写真と共にPPTにより説明が行われたが、ニュース最先端の日本経済新聞によるものなので
掲載を遠慮させて頂きます。
【講演の概要】:一帯一路とAIIBで新たな経済圏づくりを仕掛ける中国に、当方シフトを強めるロシア。韓国・北朝鮮やモンゴルを含め、北東アジアの新経済秩序をにらんだ関係国の連携と競争が始まった。エネルギー、物流、金融などの分野で表れた新たなうねりに、日本はどう対応すべきか。地域協力のネックとなっている北朝鮮問題にはどう向き合うべきか。
北東アジアをめぐる話題の書を相次ぎ刊行したエコノミスト・ジャーナリストが、関係国の最新情報と共に報告する。
*港湾新聞記事(2017年12月26日発行) 著書の紹介:
「変わる北東アジアの経済地図」「朝鮮半島地政学クライシス」 (Topページの【会員の著作案内】参照)
第16回 杉本勝則様
説明資料「中国を正しく理解するための三ヶ条-一帯一路の現場を見て」pdf. (17/9/21)
New!
「講演概要」:私は2014年7月にウルムチを訪れたが、そこで見た物は完成間近の巨大な工業団地群であった。13年10月に一帯一路構想が発表されてから4年。この間、中国では連日報道されていたが、不思議なことに日本ではほとんど報道されないばかりか、現在でも現地を見ることなくあれやこれやと一帯一路、AIIBについて語られている。
ここ10数年来の中国予想で当たっていたものは少ないように思う。なぜ、未来予想が当たらないのか。私は、日本人の基準と願望で中国を評価し、中国の体制、歴史の理解が不十分なまま中国を論じるからではないかと思う。そこで、皆さんが聞いているのとは違う実際の中国を紹介することで中国に対する理解を深めていただければと思う。
第15回 志水康祐様 説明資料「北極海航路の利活用に関する最近の動向について」pdf. (2017/6/16)
講師の志水様は国土交通省総合政策局海洋政策課主査として北極海航路に直接たずさわっている立場にあり、地球温暖化による北極海の海氷面積の減少に伴い利用の可能性が広がりつつある北極海航路について、現状の利用状況や今後の動向などを紹介いただき、北極海航路の今後の利活用について興味深い報告をいただいた。
国際間の貨物輸送については、中国の鉄鉱石需要の下落、原油価格の下落など国際マーケットの影響による北極海航路利用の動機の低下、ウクライナ情勢による対ロシアへの経済制裁やロシアによる報復措置などの政治的要因も存在する。日本の船社としてはヤマルLNGプラントへの関連資材の輸送が行われている。
アジア~欧州間の定期コンテナ航路については諸要因があり現時点では現実的ではないとの認識である。フォーラム参加者にとっては興味深いテーマであり講演後には活発な質疑応答が行われた。 *港湾新聞記事掲載(2017/8/2)
第14回 堀田幸裕様 「習近平時代の中朝関係」 説明資料 ①習近平時代の中朝関係」及び②「内貿跨境」、連結pdf. (2017/4/7)
4月5日に弾道ミサイルの発射を受け4/7に安倍・トランプ電話会談が行われ、また6-7日にフロリダ・パームビーチを訪れた習近平との米中首脳会談が行われる最中にシリアへの巡航ミサイル攻撃が行われた。中朝関係にも影響を及ぼす微妙なタイミングでした。
堀田様からは、「習近平時代の中朝関係」と題して、中国は2013年の第3次核実験後の対応をターニングポイントとして厳しく北朝鮮を批判。未だに習近平・金正恩首脳会談は行われていない事情。資料②の「内貿跨境」は2011年から羅津港から上海地域への石炭を運搬。2017.2にはトウモロコシ2,000㌧・コンテナ貨物などを輸送した。輸送のネックとなっていた圏河~元汀間の新図們江大橋が昨年末に完成した情況など資料を提供頂いた。
第13回 吉田進様 「新段階に入った日ロ関係」 (2017/2/3) New!
説明資料 ①パワーポイント資料 ②「新段階に入った日ロ関係」pdf.
③日ロ間の協力文書・成果文書の一覧(政府・当局間の8項目12件の文書および民間機関間68件の文書)pdf.
1956年の日ソ共同宣言が交わされ国交回復されて以降の両国間の北方領土交渉と平和条約締結交渉が行われてきたこれまでの経緯、ならびに2016年6月のソチでの安倍首相とプーチン大統領の会談時に、今までの発想にとらわれない「新しいアプローチ」について合意したものの、本年1月15・16両日のプーチン大統領訪日時においては、なお両国間の隔たりを埋めるには至らなかった。
一方日ロ経済協力は政府間8項目12件、民間の68件について覚書が交わされ、「双方の前進する基盤が作られ、領土問題にも日が射した」とのロシア人識者の評価もある。これ等のこれまでの経緯について詳細な説明がなされ、また今後の見通しについて詳細に講演がなされた。添付資料②「新段階に入った日ロ関係」
*港湾新聞記事掲載(2017/2/21)
第12回 高見澤学様 「最近の日中関係-新次元の日中産業協力に向けて」説明資料pdf.(2016/12/9)
(*資料中、一部の図表等が表示できません。必要の場合は事務局までお尋ね下さい。)
今年9月下旬に42回目となる日中経済協会合同訪中代表団が北京および湖北を訪れ、国家指導者と会見、経済官庁との全体会議、日中企業家対談を行いました。この訪中団派遣を始めとして、近年日中間の貿易額や日本からの対中直接投資が低迷を続けるなかで、「新次元の日中産業協力」向けた努力を続ける日本経済界の取り組みを紹介頂きました。
高見澤様は2012年4月~2016年3月の間、日中経済協会の北京事務所に駐在されており、その経験から最近の北京事情を含めての話題を提供していただきました。 *港湾新聞記事掲載(2017/1/31)
第11回 国松正輝様 「RORO船とWWLロジスティックサービス概要」説明資料pdf.(2016/10/28)
WWLは150年の歴史を持ち、RORO船のパイオニアとして重量物海上輸送、自動車輸送をリードしてきている。その最新鋭の船とサービス概要について、またグローバルロジスティック企業としてのターミナル事業について紹介し、サプライチェーンソリューションの視点で、日本港湾の更なる競争力強化の可能性を探る」との趣旨で講演された。蒲郡港、金沢港、常陸那珂港、名古屋港、御前崎港における大型船対応の岸壁の増深・延伸対応の事例の紹介、またサプライチェーンマネジメントについてその役割やターミナルの生産性を高めるための具体事例及び提言についてなど多岐に亘り説明された。
*港湾新聞記事掲載(2016/11/15)
中国が「一帯一路」戦略のもとに中国と欧州諸国との間の輸送ルートを確立し一大経済圏を築こうとしていますが、その中間に位置する中央アジアの状況を知る日本人は多くありません。その中でかつて日本通運在籍時代に駐在し、その後国際物流コンサルティング会社「シーエンタプライズ社」を設立、現在も中央アジア最大のフォワーダーである「グローバリング社」(本社カザフスタン)の日本コンサルタントや国交省の外郭団体「海外運輸協力協会」のアドバイザーを務める浅海茂様(NEANETの会員でもある)より、中央アジア(カザフスタン・ウズベキスタンなど)地域の国際物流の状況および、甘草製品など実取引の経験を踏まえたビジネス環境について興味深い報告をいただいた。
*港湾新聞記事掲載(2016/10/11)pdf.
ロシアの港湾・物流についての第一人者であるERINA環日本海研究所の辻久子様を迎えて「ロシアの国際物流の実態」と題して講演をしていただいた。
ロシアの港湾、鉄道などインフラと、2015年の国際物流や日ロ間貿易統計をふんだんに引用し、シベリア鉄道・バム鉄道の輸送量増加計画、新シルクロード鉄道回廊と中国~欧州間ブロックトレイン運行の情況、更に北極海航路など多岐に亘って紹介されました。
講演時のパワーポイント資料を提供頂いたのでご覧下さい。
*港湾新聞記事掲載(2016/9/6)pdf. (注、この記事は横向きに掲示されて見にくいので、プリントアウトの上でご覧下さい)
李燦雨講師は1999年にERINA環日本海経済研究所の客員研究員として訪日して北東アジア地域の経済協力に関する調査研究、特に図們江(豆満江)地域開発問題に長くたずさわって来られ南北朝鮮の経済関係についての第一人者です。最近の北朝鮮の核とミサイル実験に対する制裁強化に伴い、金正恩体制の動向や、南北・日韓米の政治・経済・外交などの現状と課題についていろいろな視点から興味ある講演を頂いた。
*
港湾新聞記事掲載(2016/5/1)pdf
第6回 田辺智彦様 「銀行マンから見た最近の中国情勢について」講演概要(2/5,16) New! (資料のpdf.はありません)
副題を「日本企業の対中直接投資の現状と展望及び中国東北部での日中経済協力」として、中国経済の経験と三菱東京UFJ銀行の豊富なデータに基づいて講演をいただいた。
1.中国経済の状況:・2015年、中国の実質成長率は前年比+6.9%と政府目標の+7.5%前後とほぼ同レベル。(2014年のGDPは米国の17.35兆ドルに次ぐ第2位の10.36兆ドルと。日本は第3位4.06兆ドル)。・その他の指標は足元で経済減速を示している。・貿易目標は対前年比+6%に対して実績値は▲7.0%で、国内の生産コスト増が重荷に。外資の現地調達率の高まりが輸入を下押し。・2015年8月に人民元の対ドルレートを4.7%切下げ、年末年始にかけて元安が進展している。
2.習金平体制が抱える経済課題と対応策:・2015年10月五中全会での第13次5ヶ年計画(2016~2020年)では「全面的な小康社会」の建設、2020年のGDPと所得の倍増(2010年比)、キーワードは「創新(イノベーション)」、調和、緑色(グリーン発展)、開放、共享(共に享受)。・個別課題への取組みについては、過剰生産能力の解消にむけ設備淘汰・投資の抑制。・消費主導型経済への構造転換。2020年にGDPと消費の倍増。・人口問題、「一人っ子政策の廃止」、少子高齢化社会への対応。・環境対策、省エネ・省資源化への取組み。
3.日経企業を取り巻く事業環境の変化:・2015年の日本の対中直接投資は前年比▲25.9%の32.1億ドル。・JBIC「製造業海外直接投資アンケート調査」によると、9割以上の企業が中国経済の動向と賃金水準を懸念、5割が他国へのリスク分散も考慮、4割が長期的観点で積極的に事業展開する。・「中国製造2025」、生産効率が高く、先進国並みの項高付加価値の生産を生み出せる製造業への転換を目指す重点産業の10分野を挙げる。・「一帯一路」構想と「AIIB]、新たな経済体制構築による中国のプレゼンスの向上。素材産業等の過剰生産の解消、交通エネルギーインフラの整備。
4.中国東北部での日中経済協力:・北東アジア経済圏の一層の活性化と「一帯一路」構想。日本企業による高効率、低環境負荷の技術、設備の導入などの貢献分野。
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港湾新聞記事掲載(2016/3/1)pdf
鈴木講師は「観光立国ニッポンへの道ーこれでいいのですか」との問題提起から話を始めた。中国人観光客の爆買いぶりに目を奪われるばかりでなく、種々の客層や、その他の国からの訪日客(インバウンド)の増加、さらには日本人の海外旅行者(アウトバウンド)の増加にも努力すべきだ。
Two Way Tourizmの活発化こそ観光立国ニッポンへの道である。これらの現状を豊富な資料に基づいて説明をいただいたので提供します。
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港湾新聞記事掲載(2016/1/26)pdf.
習近平主席が2013年9月「新シルクロード」の構想発表から、さらに「一帯一路」という新たな経済圏建設構想へと発展させ、「AIIBアジアインフラ投資銀行」設立と併せて極めて戦略的な意味を持っている。町田様は最近、成都・重慶・鄭州・連雲港などの主要拠点を訪れて、中国よりヨーロッパを結ぶ陸の輸送回廊の現状と、今後の課題について、ユーモアを交えての講演をいただいた。
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港湾新聞記事掲載(2015/9/25)pdf.
去る7月15~18日の間瀋陽市で「2015年日中経済協力会議-於遼寧」が開催され、日中東北開発協会の事務局長として参加された後藤様より。「最近の中国経済の現状」と会議の模様について詳しく説明を頂いた。会議には日本側169名、中国側531名の合計700名が参加した。会議のハイレベル論壇では、孫堯黒竜江省副省長から渤海国遺跡等を含む観光資源開発について日中間で相互協力したいとの発言があった。森邦雄新潟県副知事からは日本海横断フェリー航路の来春の開設を目指すとの説明があった。
*港湾新聞記事掲載(2015/9/8)pdf.
今年11月パリで開催されるCOP21での温室効果ガス削減目標の策定問題や排出権取引の先端的実施を中国やモンゴルにおいて日本カーボンファイナンス㈱初代社長として推進された経験と今後の課題について詳細に説明された。中国黒龍江省やモンゴルの農業・畜産物の廃棄物処理、大気汚染対策に日本の中小企業の持つ技術や設備の提供などにビジネスの可能性があるのではとのコメントがあった。講演後には参加者との活発な質疑応答の交換が行われ、意義のある「研究フォーラム」であった。
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港湾新聞記事掲載(2015/7/28)pdf.
*上記の「第1回研究フォーラム(北東アジア政策懇話会)」の模様が港湾新聞に掲載されました。